Minami Ueda

あっという間に10月に突入。最近は窓を開けながら車を走らせて、風を感じるのが気持ち良い。さて新聞を読んで知ったけれど、今日の夜は中秋の名月なのだそう。

明けばまた 秋の半ばも過ぎぬべし かたぶく月の 惜しきのみかは
(藤原定家・新勅撰和歌集 261)

藤原定家がこの和歌を詠んだのは何百年も前のことだけれども、そこに描かれた感覚や精神性は、不思議なことに今なお強い共感をもたらす。社会がどんな状況にあろうと、月は暦の通り満ち欠けを繰り返していき、そっと空から私たちを見守っている。